安藤奈々は葉野言葉を面白そうに見つめながら、「当然、私たちのキャラ設定が被ってるからよ!バラエティ番組で可愛くて清純なタイプは一人で十分。あなたは視聴者投票で選ばれたから簡単には落とせない。だから自分から降りてもらうしかないわ」
「そんな理由で?」葉野言葉は信じられない様子で、焦りからか少し息を切らしていた。この時、葉野言葉は心の中で加藤恋がここ数日飲ませてくれた体力をつけるスープに感謝していた。もしあれを飲んでいなかったら、今頃気を失っていたかもしれない。
「次の競技では一流カメラマンと組んで『ELVA』の撮影をするの。その過程が全て撮影され、視聴者投票で全国トップ10を決めるわ。つまり、10人しか残れないってこと。私の後ろには東皇がついてる。あなたは?加藤恋や東根瑞希が本当の友達だと思ってるの?東根瑞希は私の所属事務所の社長の娘で、今回のオーディションの有力候補よ。キンエンメディアの所属だけど、実は芸能スクープの女王・遊川前子の娘なのよ!」