225 左遷される

「加藤恋、投資家にそんな口の利き方があるの!あなたのせいで、みんながこんな状況になったのよ。それに鈴木社長はあなたのせいでたくさんの損失を出したのに、早く鈴木社長に土下座して謝りなさい!」夏川晴海が一歩前に出て、加藤恋が謝らなければ制作チーム全員が責任を取らされるような態度を見せた。

「私がしていないことを、なぜ謝らなければならないの?それに、たかが1000万円の投資よ。どんな会社でも出せる額でしょう?」

注目を集めていることを感じたのか、加藤恋はサングラスとマスクを着用した。芸能人同士の路上での言い争いのニュースは気にならなかったが、ただビジネスの話をしているところを見られて、セイソウリキとの関係を連想されることを心配していた。

「言い訳しないで!さっきみんながグループで言ってたわ。制作チームが今、動画を流出させた人を探してるって。誰がやったのか早く認めろって。あなたがそれを狙って自作自演したんでしょう!」夏川晴海の声は次第に大きくなり、案の定、周りの注目を集めた。加藤恋はここで時間を無駄にしたくなく、立ち上がってその場を離れようとした。