「それに、セイソウリキには建材、エンターテイメント、飲食など多くの事業があり、これらは福田家の事業と密接に関連しています。今、福田家の株式を最低価格で買収すれば、将来的には必ず利益が出るはずです!新規の実績のない取引先を選ぶよりもずっと安全です」
福田元は突然焦り始めた。手の中の鴨を逃すわけにはいかない。彼は唐沢行が自分から接触してきたことで話は決まったと思っていたのに、まさかこんなに多くの質問をされるとは思わなかった。
「今のちょっとした噂話程度で、セイソウリキがこんな大きなチャンスを逃すのは損失ですよ。それに唐沢社長はそんな器の小さい人ではないと思います。こんなことにこだわるなんて、正直見下げたものです。実を言えば、父をこの騒動に巻き込みたくないという理由がなければ、私は絶対に手持ちの株式を手放したりしません。どちらが重要か、唐沢社長ならおわかりでしょう」