303 福田隼人の株式権

「誰が本当のことを言っているのか分からないわ。私のいとこはそんなことをする人じゃないし、ちゃんと調べてから話をしましょう」福田遥は福田元の合図を受けて、すぐに彼を擁護する言葉を口にした。

温井詩花と加藤恋のやり取りは福田鐵と福田元の目に入った。まさかこの二人の女性がこれほど手強いとは思わなかった。特に福田元は顔色が一気に青ざめた。

なぜ事態がこうなってしまったのか分からなかった。唐沢行と加藤恋は一体どんな関係で、二人でどれほどの策を練って、自分を罠にはめようとしているのか。

彼はセイソウリキと協力関係を築きたかったが、今回の一件で、もはや事の成り行きを想像することすらできなかった。

加藤恋と唐沢行の様子を見ていると、福田元の心には激しい憎しみが湧き上がり、福田のお婆様が呼んでいることにも気付かないほどだった。