358 舞踏会に参加する

温井詩花は大きなあくびをして、加藤恋に特に問題がないのを確認すると、すぐに目を輝かせながら声をかけた。「恋、今夜遊びに行かない?葉野言葉も誘おうよ!」

「メッセージは受け取ったけど、家の方にはまだ報告してないから、遊びに行くのは難しいかも」加藤恋は申し訳なさそうに笑った。実は彼女は賑やかな場所が好きではなく、以前オーディションに参加していた時期は長い間落ち着いて物事をする時間がなかった。

「メッセージ送るだけでいいじゃない?無理なら私が手伝うよ!今日は面白いところに連れて行くから。コンテスト終わってから私たち、ちゃんと集まってないでしょ。今回は断らないでよ」温井詩花は神秘的に目配せしながら言った。

「じゃあ、どこかでコーヒーでも飲む?」加藤恋は彼女の興奮した様子を見ながら尋ねた。