しかし葉野言葉の手の動きは戦闘に追いつかず、気がついたときには横に現れた秋山花に倒されていた。
温井詩花は静かにため息をついた。このダンジョンはもう攻略できないだろう。結局、葉野言葉の牧師キャラクターは回復のために存在していて、このダンジョンは「血の穴」として有名だった。葉野言葉なしでは絶対に突破できない。
「はい!最初のプレイヤーが脱落し、リスポーン地点に戻りました。」ゲーム実況者も興奮気味に話した。秋山花のゲームプレイが素晴らしいと聞いていたが、確かに並外れていた。
【霸道総裁日天が秋山花に花火ギフトを贈りました】
「日天総裁さん、ありがとうございます。でも今は番組のために皆さんと慣れ合う時間なので、ギフトは受け取れません。」
秋山花の言葉が終わると、配信のコメント欄は再び大きな波が起こり、皆が秋山花の美しさと優しさ、そして素晴らしい操作を褒め称えた。
美しく、声が良く、ゲームも上手い女優を、誰が好きにならないだろうか?
【鹿の真の愛】:この試合で温井詩花たちが勝てたら、ロケットギフトを贈ります!
【一つの小さな目標】:サーバー1位のアサシン、きっと全員倒されるでしょう。
【花を咲かせてやる】:でも秋山花先生が可哀想、代行プレイヤーを使うような人と一緒にゲームをしなければならないなんて。
この一言で配信のコメント欄は一斉にスパム状態となり、皆が代行プレイヤーを使った安藤静にこの番組から降りるよう要求した。
安藤静はプレイに苦しんでいたが、それでもダンジョン内の雑魚を黙々と倒していた。
配信の視聴者たちは彼女を許すつもりはなかった。
【このような下手な操作なのにファンがいるの?】
【雑魚を倒すだけで、偵察の役割を全く果たしていない。】
「一つの方法がある...」竜川尚が突然口を開いた。このダンジョンで先機を制し、報酬を獲得したいなら、隠れている秋山花を倒す必要がある。
「わっ!わっ!わっ!」横にいた温井詩花が突然叫び出した。さっきまで何が起こったのか考えていたが、振り返ると自分のHPが半分しか残っていなかった。
「どこにいるの!」配信で秋山花のチームメイトの声が響き、加藤恋も緊張し始めた。ここで秋山花に負けるのは悔しい。