471 秋山峰という人

「やっと分かったよ。心、お前は外で何もせず、こんな役立たずと付き合ってただけだったんだな」秋山峰は加藤恋を全く眼中に入れていなかった。

「まだ分からないのか?この加藤恋っていう大スターは秋山家に取り入ろうとして、心の犬になってるんだよ!」

加藤恋は話している藍井正を見て、やはり類は友を呼ぶものだと思った。彼らとこれ以上話す気もなく、秋山心の隣に座って黙々と食事を続けた。

「ねぇ、加藤恋でしょ!部外者のくせに、一言も言わずに座るなんて図々しいじゃないか?自己紹介もしないの?」秋山峰は皮肉めいた口調で言い、皆の視線を集めた。

秋山家の他の女の子たちは全く口を開く勇気がなく、秋山峰が何を言い出すのか見守っていた。

「私が誰か知ってるでしょう?北部にも私のポスターがあるはずよ」加藤恋は冷静な声で言い、秋山峰を一瞥した。彼こそが秋山心を暗殺しようとした張本人だったのだ。

「はは、若くして福田隼人と結婚したって聞いたぞ。あいつ最近調子に乗ってるよな!だから言ったんだ、心。この集まりはどんどんレベルが下がってる。こんなゴミまで参加できるなんて、次は来ないかもな」秋山峰は冗談めかして笑った。

「お兄ちゃん、そんな失礼な言い方しないで。加藤恋は私の友達よ」秋山心は秋山峰を見て困ったように言った。

「加藤恋、妹が友達だって言ったからって調子に乗るなよ。少しは分別をつけろ。自分が何者か分かってんのか?うちに取り入ろうなんて」秋山峰は顔を曇らせ、加藤恋を冷たく嘲笑した。その後、秋山美野里を見て、自分の味方になるよう促すような目配せをした。

秋山美野里はLVのバッグから小さな鏡を取り出して化粧直しを始め、秋山峰の様子に気付かないふりをし、何も起こっていないかのように装った。

「スターになったところで、貧乏臭さは抜けないな。結局は田舎者だ。こんな奴が俺たちの集まりに出てくるなんてありえない」秋山峰は冷笑しながら言った。

「見下げるわけじゃないけど、あの安物の服装を見てよ。入れてやるだけでも上等すぎるよ。心、お前までこの貧乏臭い…」藍井正も同調した。

加藤恋は藍井正の方を睨みつけ、彼は瞬時に黙り込んだ。