458 偽装死の暴露

「出て行けと言ったはずだろう?人の言うことが分からないのか?」橋本様は一目見ただけで状況を理解した。おそらく川島静香がまた人を連れて加藤恋に嫌がらせをしに来たのだろう。

川島静香は何とか唾を飲み込み、急いでその大柄な男の後ろに隠れたが、大勢の人が見ている中で面子もあり、無理やり大声で叫んだ。「私は正義のために来たのよ。加藤恋が人を殺したから、患者を連れて説明を求めに来たの」

橋本様が口を開く前に、佐々木副院長が不安そうに患者の方を見た。

「こんなことがあったとは!以前から聞いていましたが、加藤さんは医師免許を持っていないのに、何度も当院で治療を行っていましたね。あなたは構わないかもしれませんが、当院にどれほど悪影響を及ぼすか考えたことはありますか」

「そうよ、さっきも必ず助けられるなんて言ってたわ。今日この人を助けられたら、私が這って出て行ってあげるわ」