「思ったより体型がいいじゃない、ハハ!」川島芹那は冷や汗を流し、加藤恋は時間を確認した。このペーストはまだ30分以上彼女の体に付けておく必要があった。
加藤恋も楽ではなかった。全身の汗で服がびっしょりと濡れていたが、二人とも部屋の薬の臭いが随分と薄くなっていることに気付いた。
「ここだ!彼女は間違いなくこの病室にいる!」
「人を殺したら命で償うべきよ。今日こそあの女から説明を求めなければ」
「全て彼女のせいよ。生まれてくる子供は父親なしで育つことになるのよ」
川島芹那の病室の前で突然騒がしい声が聞こえ、加藤恋はカーテンを引いて、まっすぐドアの外に出た。
予想外にも、ドアの前にいたのは先ほどの妊婦の夫だった。しかし今は顔色が青白く、生気がなかった。
「私と川島芹那よりも、あなたたち二人の方が姉妹みたいね!」