456 私はあなたを信じる

「次回黒川端から何かメッセージがあったら、直接私に送ってもらえばいいわ」加藤恋は橋本様の様子を見て、一言残して川島芹那の病室へ向かった。

「ちょっと待ちなさい!あなた、自分が何様のつもり?ここがどこだと思ってるの?それに、川島芹那はあなたが会いたいからって会える人じゃないわ!」

加藤恋が前に進もうとすると、後ろにいた数人の屈強な男たちが彼女を遮った。川島静香が騒ぎを起こしに来たのは、もちろん一人ではなかった。

「どいて」加藤恋は顔を上げ、目の前の数人の大男たちを見据えた。

「そんなに急いで、死にに行くの?川島芹那は一体どんな利益をあなたに与えたの?そこまで彼女のことを気にかけるなんて」川島静香は冷笑いながら加藤恋を見た。

「どいて、あなたと無駄話している暇はないわ。あなたが何者であろうと、ここは東京よ。病院で騒ぎを起こすなら、お客様としてお断りすることになるわよ」

「ふん!」川島静香は加藤恋が自分に顔向けをする気がないと見るや、すぐに声を荒げた。彼女の目は凶暴な光を放ち、顔には悪意のある笑みが浮かんでいた。「あなたの考えていることなんて分かってるわ。自分をアスクレピオスだとでも思ってるの?一瞬で神薬を出して川島芹那を正常に戻せるとでも?」

加藤恋はこの女性を狂犬の戯言のように扱い、何を言っているのかを気にせず、橋本様に人々を制止するよう指示した。

川島芹那の病室に着くと、中からキーボードを打つ音が聞こえてきた。ドアをノックする。

「ここまで来てノックする必要なんてあるの?」川島芹那の声もあの日とは違い、よそよそしさを帯びていた。

加藤恋は少し考えてから、そのままドアを開けて入った。

「下で先ほどあんなに騒がしかったのは、あなたの仕業なの?私を社会的に抹殺するために、随分と知恵を絞ったようね」川島芹那は顔を上げて話し始めたが、目の前にいたのが加藤恋だと気づいて驚いた。

「なぜあなたが...」

「前に言ったでしょう。心配しないで、残りは私に任せてって」そう言いながら加藤恋は丹藥と膏方を取り出した。「もし私を信じてくれるなら、この丹藥を三日に一粒のペースで飲んでください。だいたい半月分あります。その時になったら新しい薬を持ってきます。これは塗り薬で、使うと少し痛いかもしれません」