584 警察署への潜入

「気が狂ったのか!」福田桐子は痛みで口が閉じられず、驚愕の表情で福田元を見つめた。

「いいから、昨夜はもっと派手にやってたじゃないか!今さら清純ぶってどうするんだ?早く帰らないと、おばあちゃんが怒り死にしそうだぞ。」福田元はその一撃に多少の怒りを込めていたが、機嫌は良さそうで、スマートフォンを福田桐子に向かって振ってみせた。

「どういう意味?」福田桐子は思わず眉をひそめた。

「今まで寝てたからわからないんだろうけど、僕たちの大叔母、福田嘉さんが今トレンド入りしてるんだ。叔父さんが入院したばかりなのに、さっそく男とホテルで密会してたってさ。」福田元はそう言いながら思わず笑い出した。

福田桐子はてっきり大事件かと思ったが、天を仰ぐような白眼を向けて冷笑した。「大したことじゃないじゃない。あなた今こんなことまで喜べるようになったの?」

福田元は福田桐子がこの件を全く気にしていないことに驚き、思わず眉をひそめた。

「その写真は私が東京タイムズに提供したのよ。」福田桐子は欠伸をしながら、福田元と一緒に外へ向かった。「よくもまあこんな場所を見つけられたわね。」

「昨日そのホテルにいたのか?」福田元は少し驚いた様子だった。

「余計なことは聞かないで、早く帰りましょう!」福田桐子は不機嫌そうに言った。

「それなら事態はもっと面白くなるな。」福田元はハンドルに顔を埋めて大笑いした。「はははは、まさに運命の皮肉だな!おそらく君はまだ知らないだろうけど、彼らは今回本当に終わりだ。福田隼人のやつが殺人事件に巻き込まれてな。昨夜、大叔母がホテルに行ったのは殺人の件についてだったはずだ。ただ、途中で何かあったらしく、犯人が福田隼人になってしまったようだ。」

福田桐子は話を聞いても要領を得なかった。殺人?犯人?

福田元は彼女にTwitterを開くように言った。トレンドは非常に興味深い内容だった。

【石田家長女が不慮の死!東京が最後の地に】

【真犯人逮捕、東京の名門が関与】

【福田某の姿、クリスタル別館殺人事件の真相】

「思わぬサプライズがあったものね?」福田桐子は思わず眉を上げて喜んだ。