今日の遺体安置所の警官が誰なのか分からないが、こんな重要な書類を目の前に置いているなんて、相当な身分と地位の持ち主に違いない。
東京の警察署でこんなことが起きているなんて...加藤恋の心臓は激しく鼓動し、一瞬何を言えばいいのか分からなくなった。
もしこれが本当なら、彼女はさらに厄介な事態に巻き込まれることになるだろう。しかし、この書類だけでは背後にいる黒幕が分からず、相手を脅すにしても、この書類だけでは意味がないと加藤恋は感じていた。
今一番重要なのは、この警察署が一体何を企んでいるのかを確認することだ。
そう考えた加藤恋は目を冷たくし、携帯を取り出して唐沢行にメッセージを送った。「もう一つお願いがあります。私たちの会社の年間税務状況以外に、最近どの会社が資産を移転しているか、私たちの子会社も含めて全て調べていただけませんか。」