そう考えると福田鐵に希望が湧いてきた。目黒家の人が助けてくれるなら、今回の危機を乗り越えられるはずだ。
しかし……時期から考えると、目黒家の現在の当主は彼のはず……そう思った福田元は立ち上がって病室に入り、深井須澄に何かを話した。
しばらくして彼は直接福田桐子の前に来て、中に入るように言った。
目黒家の現在の当主は目黒勝で、その男は色欲に飢えた獣だ。協力を得るためには、美しい娘を使って誘惑するしかない。
深井須澄は福田桐子を憎々しげに見つめ、その目には嫌悪と軽蔑が満ちていた。
この女が何かしでかしたせいで、井野忠が今このような状態になったのかもしれない。井野忠のアレが使えていれば、クリスタル別館なんかに行くこともなく、昏睡状態に陥ることもなかったはずだ。
しかし、この女は彼らが今まで手に入れた中で最も高価な女だった!