第51章 家出

久我月は中村楽の顔色を見て、心の中でおおよその答えを察した。「その後、鈴木静海が現れたのでしょう?」

「はい」

中村楽は頷き、あの出来事を思い出して顔色が少し青ざめた。「その後、確かに寒門の人たちと出会いました。死ぬと思いましたが、鈴木静海が現れたんです!」

鈴木家と寒門の因縁を知った時、彼女は自分がすでに片足を棺桶に入れていることを明確に理解していた。

生き残れるかどうか、まったく自信がなかった。

「私の知る限り、寒門は5年前に大きな打撃を受けたはずです」久我月の眉が少し緩んだ。

明らかに、当時寒門と鈴木静海は共倒れとなり、体力の回復が必要で、これほど長い年月が経って、ようやく平穏が保たれていた。

しかし久我月は何となく事態が単純ではないと感じていた。

特に鈴木家の呪いが、母親の失踪後に始まったことを知ってからは。