こちらで、店員は恭しくブラックカードを久我月に返した。
「久我月様、上からの通知により、この二本のネックレスはそのままお持ち帰りいただけます。先ほどブラックカードでお支払いいただいたのは、スーパーVIPの手続きをさせていただいたためで、ポイントは後ほど付与されます」
このブラックカードが何を象徴しているのか、彼女が知らないはずがない。
「聞き間違いじゃないでしょうね?」
さすがの久我羽も落ち着きを失い、絡み合う両手が震えていた。「姉さんは田舎から戻ってきたばかりなのに、どうしてこんなブラックカードを持っているの?」
「お姉さん、あなた...どこかでこのカードを拾ったの?言ってくれれば、私が全力で助けるわ!」
彼女は真摯に久我月を見つめた。まるでそのカードが久我月の盗んだものであるかのように。