中村少華:「……」
もう話すのも面倒くさくなった。どう否定しても、林竹美は彼がヤリ逃げした渣男だと思い込んでいるのだから。
何を言っても無駄だろう。
中村大御爺さんは、中村少華が黙り続けているのを見て、小さな目を丸くした。
黙っているということは、認めたということだ。
なんてこった!
華子がついに嫁を見つけたぞ!
中村大御爺さんの心は興奮で震えていた。急に立ち上がり、茶碗を手に取って何口も飲み干し、その抑えきれない興奮を表現した。
しかし興奮のあまり、息が詰まりそうになった。
林竹美と中村申は驚いて、すぐに大御爺さんを座らせ、後者は救心丸を取りに行き、林竹美は大御爺さんの背中をさすった。
「お父さん、そんなに興奮しないで」
林竹美は大御爺さんを慰めながら、中村少華の方を振り向いた。