第114章 遅すぎる!

「見た目がいいだけで、その綺麗な顔以外には何もないわ。」

彼は月瑠姉の将来を心配していた。あんなに美しい顔を持っているのに、それを鼻にかけて好き勝手にしている。本当にもったいない。

デイジーは怠そうに肉球を舐めながら言った。「女王陛下が一番綺麗です。デイジーは主人が大好きで、主人と一緒にいたいです。」

「ふん!」

池田滝はお世辞たっぷりのデイジーを一瞥し、冷笑した。「お前は去勢された雄猫だろう。お前が好きだろうが何の意味もないさ。」

デイジーは自分の爪を舐め続け、池田滝を無視した。

……

中村楽が住んでいたのは小さなアパートで、以前山中翔が契約したものだった。

彼女は久我月の所に住むこともできたが、ここに住んでいるのには理由があった。

階段を21階まで上がると、不運なことに廊下のセンサーライトが故障していた。夜遅かったため、管理人はまだ修理に来ていなかった。