七男の若様は漆黑の瞳に光を宿し、片手でテーブルを支えながら立ち上がり、窓際まで歩いて行き、薄い唇を噛んで言った。「カプセルを無くした!」
小池紀寒:「!!!」
な...なくした?
カプセルを無くしただけならまだしも、よくもそんな堂々と言えたものだ?
「ふざけるな!」
小池紀寒は怒りのあまりテーブルをひっくり返しそうになり、礼儀作法も何もかも吹っ飛んだ:「兄貴がこのことを知ったら、俺の足を折るに決まってる。よくもそんな当然のように言えるな?」
一橋貴明は目尻を上げ、淡々と言った:「折れたら折れたで、生きてさえいればいい」
小池紀寒は怒りで太陽穴がズキズキし、我慢の限界に達して、声を潜めて尋ねた:「...どこに無くしたんだ?見つけられないのか!」
陽光が一橋貴明の顔に落ち、彼の表情は明暗を行き来し、いつもの調子で言った:「もう見つからない、お腹の中だ」