第145章 心が柔らかくなった

久我月は顔に無頓着な表情を浮かべ、冷たい声で言った。「それと会社だけど、私はすでに弁護士に連絡して取り戻したわ。婚前の株式は個人財産よ。あなたは社長とはいえ名ばかりで、会社の増加分だけが婚後財産なの」

「この数年間、あなたの経営の下で、会社は一歩も進歩していない。増加分なんて存在しないわ。だから、会社から一銭たりとも持ち出すなんて考えないで」

「あなたをお父さんと呼んでいた縁で、多少の補償はするわ。後で弁護士からあなたの口座に振り込ませるから」

このお金は、本来なら久我月は渡したくなかった。彼女はかなりケチな性格だったからだ。

でも、もし将来久我家が彼女に面倒を見るように要求してきたら困る。だから、一括で支払っておいた方がいいと考えた。

久我父さんはこの言葉を聞いて呆然とし、次の瞬間に叫び出した。「月！何を言うんだ？いや、そんなことはできない。私はお前の父親だぞ、こんな仕打ちはできないだろう...」