そして、彼の股間を百里紅裳が思い切り蹴り上げた。その一撃は極めて正確で、栗本哲也は即座に腰を折り曲げ、その部分を押さえた。
しかし、その痛みは少し遅れてやってきた。栗本哲也が痛みを感じ始めた時、髪の毛を百里紅裳に掴まれていた。
百里紅裳は栗本哲也の頭を下に引っ張り、そして膝を上げて、彼の醜い顔面に思い切りぶつけた。
動きは素早く、一気呵成で、まるで流水のようだった。
栗本哲也は悲鳴を上げ、後ろに退いた。口からは血が溢れていた。
顔も股間も激痛が走り、栗本哲也は二十数年の人生で、こんなに惨めな思いをしたことはなかった。痛みのあまり、どこを押さえればいいのかわからなかった。
顔を押さえれば下が痛み、下を押さえれば顔が耐えられないほど痛む。
栗本哲也は体を縮こまらせながらその場でぐるぐると回り、まるでサーカスの猿のようだった。