第214章 一日逢わずば、三秋の如し

森の中には監視カメラが多かったため、彼女はカメラが回転する死角を利用して、素早く木々の間を飛び移り、すぐに森を抜けることができた。

しかし、基地はこの山脈の側に建てられており、山を利用して身を隠していたが、山の上に人がいれば、見張り台からはっきりと見えてしまう。

基地に行くには、正面玄関から堂々と入る以外に、この山を通る方法しかなかった。

久我月は考え込んで、ポケットからガムを取り出した。

いや、正確にはガムではなく、中村楽が開発した小型爆薬で、非常に危険な酸素接触型の爆発物だった。

久我月は素早く爆薬を岩に貼り付け、すぐに遠くへ逃げた。

この種の爆薬は酸素と接触すると10秒以内に爆発し、その威力は想像を超えるもので、巻き添えの危険性も高かった。

そのため久我月は遠くまで逃げ、そもそも中村楽がこの爆薬を発明した後すぐに破棄したのも、危険すぎたからだった。