第252章 腺ペスト

鈴木月瑠はバッグから鍼灸セットを取り出し、消毒して素早く針を打った。鬼門十三針を使用し、藤若様の経絡を活性化させ、寒気を取り除き、熱を下げた。

ピッピッ。

心拍数が突然23まで上昇したが、それ以上は上がらなかった。

皆の心臓が喉まで飛び出しそうだった。

鈴木月瑠は綿棒で藤若様の化膿した傷口を拭い、綿棒が膿で濡れてから、それを隔離袋に入れ、日出秀に渡した。「四津にメッセージを送って、中東で発生したこの種の病気について調べてもらって。毒株の資料を入手できるか聞いて、袋の中の配列も分析してもらって」

「月瑠姉、つまり……」日出秀の表情が急に変わった。

藤若様のこの症状も皮膚潰瘍の一種で、外傷による微生物感染と神経機能障害によって引き起こされた皮膚組織欠損性の外傷性潰瘍だった。