第282章 本気で怒った!

ふと思い出したように、牧野民は恐る恐る尋ねた。「あのチップの移動ルートは、匿名で送ってきたのはあなたですか?」

鈴木月瑠は美しい眉を少し上げ、気ままな口調で言った。「そうでなければ、あなたたちにチップの動きが分かるはずがないでしょう?」

「月瑠姉!もしデルタにバレたら、あなたがやったって...」

言葉が終わらないうちに、鈴木月瑠に遮られた。

鈴木月瑠の目元には邪気が漂い、目の下には赤い血管が浮いていた。「バレたらどうだというの?私に手を出す勇気なんてないわ!」

「...」

牧野民は返す言葉がなかった。

彼の月瑠姉はいつも傲慢で横柄だが、そうできる実力は確かにあるのだ。

鈴木月瑠は以前デルタで、セキュリティセンターの主任エンジニアを務めていた。彼女なしでは、デルタは今の地位にはなかったはずだ。