伊藤哲は重々しい声で言った。「ここは臓器売買所だ!」
「何だって?」
中村桑は目を見開き、信じられない様子だった。
彼は懐中電灯を向けながら近づいていき、この粗末な手術室には一つのベッドと、その横に金属製のラックが置かれているのが見えた。
ラックには多くの透明な瓶が並べられており、中の液体はホルマリンのようで、内臓が浸されていた!
伊藤哲と中村桑は顔を見合わせ、顔色が青ざめた。
斉田あきひろも近づいてきたが、中の様子は見えていなかった。しかし、伊藤哲と中村桑の会話を聞いて、彼は一瞬固まった。
心が底まで沈んでいった。
伊藤哲は黙って、中村桑と共に道を開けた。
斉田あきひろは懐中電灯を向けて中を覗き込み、すぐに絶望的な気持ちになった。「ど...どうしてこんな...」
彼は突然、大村つきのことを思い出した。