第332章 彼女は死んでいなかった!

伊藤哲は重々しい声で言った。「ここは臓器売買所だ!」

「何だって?」

中村桑は目を見開き、信じられない様子だった。

彼は懐中電灯を向けながら近づいていき、この粗末な手術室には一つのベッドと、その横に金属製のラックが置かれているのが見えた。

ラックには多くの透明な瓶が並べられており、中の液体はホルマリンのようで、内臓が浸されていた!

伊藤哲と中村桑は顔を見合わせ、顔色が青ざめた。

斉田あきひろも近づいてきたが、中の様子は見えていなかった。しかし、伊藤哲と中村桑の会話を聞いて、彼は一瞬固まった。

心が底まで沈んでいった。

伊藤哲は黙って、中村桑と共に道を開けた。

斉田あきひろは懐中電灯を向けて中を覗き込み、すぐに絶望的な気持ちになった。「ど...どうしてこんな...」

彼は突然、大村つきのことを思い出した。