第358章 秘密結社

話を聞いて、中村楽は急いでベッドから起き上がり、身支度を整えて札幌市の警察署へと向かった。

伊藤哲と中村桑は早くから待っていて、鈴木静海が来るのを見ると、二人は急いで挨拶をした。

「大村つきの遺体を見つけたんだ。斉田あきひろはほとんど気を失うほど泣いていて、必ず君と一緒に解剖したいと言っているよ」と伊藤哲は声を潜めて中村楽に告げた。

中村楽はさらに驚いた。

大村つきの結末が良くないことは予想していたが、実際にこのニュースを聞いた時、心が冷たくなる思いがした。

斉田あきひろの断続的な泣き声が聞こえてくる中、中村楽は伊藤哲に尋ねた:「一体どういう状況なの?どこで大村つきを見つけたの?」

「鈴木さんから聞いてないの?」

伊藤哲は無意識に鈴木静海を見たが、彼が反応を示さないのを見て、中村楽に説明した:「昨夜、君たちが襲われた時、我々が駆けつけたんだ。犯人は逃げる暇もなく、捕まった。」

「尋問の後、突破口が見つかったんだ。」

「我々は手がかりを追って大村つきを殺した犯人を見つけ、木村青林が地下の闇市場を支配している人物だと確認した。」

「この地下闇市場は、若者を騙して臓器売買をさせる、大きな地下組織なんだ。」

「そして木村青林が支配しているこの組織は、その一部分に過ぎない。私の判断では、その背後にはもっと巨大な体制がある。」

「さらに可能性として、小池隊長たちが追っている事件に関係しているかもしれない。」

伊藤哲の職権では、これ以上のことは知り得なかった。

しかし鈴木静海は中村楽に秘密結社のことを話していたので、今、中村楽は木村青林も秘密結社のために働いているのではないかと疑う十分な理由があった。

おそらく木村青林の地位では、より深い部分には接触できないだろう。

しかし中村楽が理解できないのは、秘密結社は人体実験を専門にしているはずなのに、この臓器の闇市場が彼らにどんな助けになるのかということだった。

明らかに、この所謂臓器闇市場は、金を稼げる巨大な利益組織だった。

中村楽は、秘密結社以外にも他の組織が関与しているのではないかと感じていた。

寒門かもしれない?

そう考えると、中村楽は思わず鈴木静海を見つめ、京都に戻ってから鈴木月瑠に詳しく話そうと考えた。