第357章 包帯交換

そう言うと、また咳き込み、まるで心臓、肝臓、脾臓、肺、腎臓を吐き出しそうな勢いだった。

「本当に大丈夫だから...」彼は顔を横に向け、弱々しく鈴木月瑠を見つめた。その半開きの瞳は、どこか寂しげに見えた。

鈴木月瑠は一橋貴明が死にそうだと本気で思い、鈴木静海のことなど気にする余裕などなかった。「もういいから、軍医さんに包帯を替えてもらいましょう」

一橋貴明の目に笑みが浮かんだが、相変わらず弱々しく言った。「月瑠、怖がらないで。ただ喉が少し痛いだけだよ。咳き込んだら楽になるから」

彼は気取った様子で言った。「お兄さんに電話を返してあげなさい。電話に出ないと、心配して食事も眠れなくなってしまうよ」

竹内北:「......」

軍医:「......」

なるほど、竹内北が彼を入れさせなかった理由が分かった。