中村少華は松本旻を一瞥した。「お前、姉貴とそんなに親しいのか?」
「一緒に育ったんだぞ、親しくないわけないだろう?」松本旻は白目を向け、中村少華と話す気が全くなかった。
ちょうど中村楽と池田滝が近くにいて、こちらに来るのに数分もかからなかった。
二人が五十メートル先から、鈴木月瑠たちが焼き肉を食べているのを見かけ、中村少華たちもいた……
中村楽は足を止め、呆然と池田滝を見た。「どういうこと?他の人がいるなんて聞いてないよ」
池田滝は彼女を横目で見た。「こんな遅くに一人で焼き肉を食べに来るわけないだろう?」
「でもこんなに大勢いるなんて」中村楽は眉をひそめ、突然行く気が失せた。
池田滝は研究チームに加わったばかりで、かなり疲れていて、リラックスしたかった。「まあいいじゃないか、せっかく来たんだし、行こう。ただ飯にありつけるよ」