その言葉を聞いて、池田滝は沈黙に陥り、思考を整理しているようだった。
しばらくして、彼は目尻を上げ、邪悪な笑みを浮かべた。「……月瑠姉、あなたが解決すべき問題は、かなり多いですね。」
鈴木月瑠は冷たい笑みを浮かべながら、お茶を一口飲んだ。「今の最大の可能性は、デルタと秘密結社が同じ組織だということね。」
「だって、デルタ以外に、小池紀之でさえ調査できない場所なんて、考えられないもの。」
彼女と池田滝は両方ともデルタに所属していた経験があり、デルタの情報網がどれほど緻密かを熟知していた。
今回の黒川若旦那と黒川嶺の件が漏れたのは、デルタが少しずつ情報を流出させたのだと彼らは知っていた。
そうでなければ、外部がどうしてこれらの情報を知り得ただろうか?
デルタの情報網は、天空にさえ及ばないほどだった。