第433章 このまま帰るの?

遠藤音美は太夫人の部屋を出て、戻ろうとしたところで、大橋伊華の部屋の人に呼ばれた。

「大橋おばさまは何かご用でしょうか?」遠藤音美は彼女を大橋伊華のところへ案内する使用人を見た。

使用人は微笑んで答えた。「よく分かりませんが、七男の若様のことについてだと思います。」

遠藤音美のまぶたが微かに震えた。

太夫人の方は鈴木月瑠に攻略されたが、大橋伊華はどうだろう?

大橋伊華は鈴木月瑠を受け入れていないはずだ。そうでなければ、わざわざ彼女を呼びつけることもないだろう。

大橋伊華の部屋に着くと、遠藤音美は従順に「大橋おばさま」と呼びかけた。

「音美が来たのね。早く、私の側に来て座りなさい。よく見せてちょうだい。」大橋伊華は笑みを浮かべながら、遠藤音美に手招きした。

遠藤音美は素直に近寄り、大橋伊華の傍らに座った。