鈴木月瑠は彼の垂れ下がった手首を掴み、鈴木静海は痛みで眉をしかめ、シューッと声を漏らした。
彼女は鈴木静海の腕を見て、瞳の色が更に暗くなり、嗄れた声で言った。「我慢して」
そう言いながら、鈴木月瑠は鈴木静海の腕を押さえ、彼の腕を元の位置に戻した。
「もう遅れられない、早くここから離れないと」龍田へびが振り向いて低い声で言った。
今、周りがどんどん静かになっていて、良くない兆候だった。
「お兄さん、私が連れて行くわ」鈴木月瑠は鈴木静海を支え起こし、唇を固く結び、胸が締め付けられるようだった。
「逃げられない」
鈴木静海が呟くと、顔色が急に蒼白になった。
彼の言葉が完全に終わらないうちに、外から急ぎ足の音が聞こえ、龍田へびは急いで鈴木月瑠の前に立ちはだかった。
「誰も此処から出られないわ!」