「他人の縄張りで好き勝手するなんて、何様のつもりだ?」
安池寒は妖艶な唇を拭いながら、笑って言った。「ちょうどいい、解毒剤を作ったところだ。欲しければ、その実力を見せてもらおうか」
「いいだろう、お前の実力を試してみたいところだ」
中村少華は安池寒の手にある陶器の小瓶を見つめ、突然薄い唇を開いて笑った。その笑顔は執着と狂気に満ちていた。
……
安池寒の本拠地の入り口に近づいた時、鈴木月瑠は携帯を取り出し、監視カメラの信号を見つけてハッキングした。
彼女がそこに立ち、龍田へびたちは周囲の様子を窺っていた。
彼女の白く美しい指が携帯の画面を滑り、画面には多くの赤いコードが浮かび上がった。
「監視室にウイルスを仕掛けたわ。私たちが入った後、自動的に監視カメラを無効化するはず。急ぎましょう」