第478章 この恨み、もう終わりじゃない

「他人の縄張りで好き勝手するなんて、何様のつもりだ?」

安池寒は妖艶な唇を拭いながら、笑って言った。「ちょうどいい、解毒剤を作ったところだ。欲しければ、その実力を見せてもらおうか」

「いいだろう、お前の実力を試してみたいところだ」

中村少華は安池寒の手にある陶器の小瓶を見つめ、突然薄い唇を開いて笑った。その笑顔は執着と狂気に満ちていた。

……

安池寒の本拠地の入り口に近づいた時、鈴木月瑠は携帯を取り出し、監視カメラの信号を見つけてハッキングした。

彼女がそこに立ち、龍田へびたちは周囲の様子を窺っていた。

彼女の白く美しい指が携帯の画面を滑り、画面には多くの赤いコードが浮かび上がった。

「監視室にウイルスを仕掛けたわ。私たちが入った後、自動的に監視カメラを無効化するはず。急ぎましょう」

鈴木月瑠は携帯をしまい、瞳孔を縮めて言った。「計画通りに行動して。余計なことはしないで」

一同は頷き、天空特製のチップを携帯していた。どんな検知装置でも検出できず、遮断装置も信号を妨害できないものだった。

各入り口の警備員は全て射殺され、中はそれほど混乱していないようだった。鈴木月瑠たちは直接潜入した。

その時、角から人影が突然動いた。

先頭を行く池田滝は反射的に発砲したが、相手は低い声で叫んだ。「私です、撃たないで!」

「中村静加?」

池田滝は眉をひそめ、素早く近寄った。

確かに中村静加が角に隠れており、肩に銃創があり、かなりの出血があった。

「怪我してる、動くな!」池田滝は中村静加を押さえ、携帯していた止血粉を振りかけ、布を切り取って彼女の肩を縛った。

中村静加は顔を蒼白にして鈴木月瑠を見た。「鈴木月瑠さん、次郎様は安池寒を引き離し、密室にいます。鈴木さんは見つかりませんでした」

「分かった」

鈴木月瑠は冷淡な声で答え、中村静加を彼女の心腹に託して外に連れ出させた。

数人が分かれて探索を始めた。ここの警備は緩かった。

龍田へびは鈴木月瑠と共に鈴木静海を探しに行った。

中村少華の居場所が分かったので、鳳紅裳は心配なく、池田滝と共に警備の厳重な場所を攻撃した。

鈴木月瑠たちが入ってすぐ、角に隠れて負傷した黒服の男を発見した。

龍田へびが発砲しようとした時、黒服の男は急いで叫んだ。「撃たないで、味方です!」