鈴木月瑠は大御爺さんの叫び声を気にせず、針を持って一橋大御爺さんの額に刺した。
一橋大御爺さんは本当に痛くて、思わず悲鳴を上げ、顔色がどんどん青ざめ、冷や汗が止まらなかった。
一橋貴明は濡れタオルで大御爺さんの汗を拭いていた。
伊藤様たちは大御爺さんの青ざめていく顔色を見て、とても心配になった。「鈴、鈴木さん、大御爺さんがこんなに痛がっていますが、本当に大丈夫なんですか?」
針は自分たちに刺さっているわけではないが、大御爺さんの様子を見ていると、思わず身震いした。
鈴木月瑠は彼らをちらりと見て、淡々と言った。「では、あなたたちがやってみますか?」
一同:「……」
もし彼らにできるのなら、三年もかけて大御爺さんを治せなかったはずがない。
鈴木月瑠のその一言で、皆は黙り込んでしまった。
鈴木月瑠は視線を戻し、また短い針を数本取り出して、一橋大御爺さんの手足に刺した。
針は短かったが、この特殊な刺し方のせいで、大御爺さんは痛くてたまらず、ずっと叫び続けていた。
そこに立っていた一橋啓山は内心焦りを隠せず、落ち着かない様子で急いで一橋貴明の方を見た。
一橋貴明は反応せず、視線は常に鈴木月瑠に向けられたまま、だらしない態度でいた。
一橋啓山:「……」
しかし一橋貴明がこれほど落ち着いているなら、自分も何も言えないだろう。
鈴木月瑠が大御爺さんを治せるのなら、医術は確かなものだろう。おそらく大御爺さんは目覚めたばかりで、痛みに敏感になっているだけだろう。
そう考えて、一橋啓山はゆっくりと座り直した。
伊藤様たちは鈴木月瑠の針を打つ手つきを食い入るように見つめていた。その針法は、彼らの目には無限に拡大されて映り、皆が驚きを隠せなかった。
彼らはまばたきもせずに見つめていた。
最初は、本当に巨霊針法なのかどうか確信が持てなかった。古い文献が欠けているからだ。
しかし鈴木月瑠は欠けている三分の一の部分まで全て使いこなしていた。これは間違いなく完全な針法だ!
数人は鈴木月瑠をじっと見つめ、目に驚きを満面に浮かべていた。
本当にこの針法で大御爺さんを治したのか?鈴木月瑠は針の大村よりも凄い漢方医なのか?
鈴木月瑠が最後の針を刺すと、大御爺さんの叫び声はさらに大きくなった!
より悲痛な叫び声に!
その声を聞いた全員が思わず震えた。