別荘の地下密室。
安池寒はまだここに監禁されており、鳳紅裳は小口現を連れてここにやってきた。
地下牢は密閉されており、吐き気を催す血の匂いが充満し、背筋が凍るほど暗かった。
鳳紅裳は最後の密室に到着し、暗証番号を入力してドアを開けた。
後ろの小口現が中に入り、安池寒の腕を掴んで外に引きずり出した。床には血の跡が蛇行していた。
安池寒は全身が痛んでいたが、声を出さずに耐えていた。
小口現が安池寒を入口まで引きずると、鈴木月瑠が車の後部座席に座っているのが見えた。その表情は慵懶としていながらも、骨まで凍るような冷たさを漂わせていた。
鳳紅裳は小口現に合図し、安池寒の手足の拘束を解くよう指示した。
安池寒は一瞬戸惑い、鈴木月瑠が何をしようとしているのか分からなかった。
彼を解放するのか?