一橋大御爺さんは安田家に挨拶を済ませると、鈴木月瑠の方を向いて、にこやかに言った。「月瑠ちゃん、おじいちゃんとおばあちゃんのところに来なさい」
鈴木月瑠は歩み寄り、素直に「おじいちゃん」と呼びかけた。
「いい孫嫁だ」
一橋大御爺さんは鈴木月瑠の頭を撫でながら、笑顔で言った。「お前は、おじいちゃんとおばあちゃんが気に入った孫嫁だ。何があっても、一橋家がお前の後ろ盾になる」
鈴木月瑠は頷いた。
一橋太夫人は鈴木太夫人の方を見て、目を細めて笑いながら言った。「お姉様、これからは親戚同士ですね」
「あなたの家にも、私の可愛い孫を嫌う人がいるようですけどね」鈴木太夫人は遠慮なく言い、鼻を鳴らした。
一橋太夫人は穏やかな口調ながら、威圧感のある言葉を発した。「一橋家では、まだ彼らが物事を決める立場にはありません」