第605章 中村霜が死んだ

医師たちは鈴木静海を集中治療室に運び、鈴木月瑠は休みに戻った。

鈴木静海の容態が安定し、鈴木月瑠も十分に休んだ頃、彼女は集中治療室に向かい、中村楽にメッセージを送って呼び出した。

中村楽は何も言わず、すぐに集中治療室へ向かった。

中村楽が入室した瞬間から、鈴木静海の視線は彼女に注がれていた。

鈴木月瑠はファイルを顎でしゃくり、中村楽に「見てみて」と言った。

中村楽は淡々と頷き、ファイルを手に取って目を通した。

それは鈴木静海の現在の身体データだった。

ちっ……

「誰がまとめたの?」中村楽は顔を上げて周りを見回し、表情は冷ややかだった。

鈴木静海は今回かなりの苦痛を味わった。肋骨のほとんどが折れ、肝臓に損傷があり、腕も骨折し、体の損傷は50パーセントを超えていた。

他のデータもあったが、中村楽は医者ではないのでよく理解できなかった。