第546話 ゴミ!

「F様、その質問は……確かな証拠のない告発は、誹、誹謗中傷になります……」司会者が慌てて口を開いた。

この場面は、もう収拾がつかない!

中村楽は漆黒の瞳を上げ、司会者を一瞥し、冷たい口調で言った。「審査員として、質問もできないのですか?法律を知っていますか?」

司会者は即座に口を閉ざした。

鈴木月瑠の整った眉目は極めて冷たく、殺気を抑えながら、氷のように冷たい瞳で言った。「中村霜、私の質問に答えなさい」

中村霜の心臓は胸から飛び出しそうだった。

これは彼女がキャリアを始めて以来、初めて公の場で業界のトップから質問を受けた。

このような完璧に近い作品を、F様とQueenは平凡だと言い。

さらに盗作を見抜いた……

中村霜は鈴木月瑠を見つめ、瞳孔が僅かに収縮した。

F様は盗作を疑っているだけで、証拠はない。だから……

彼女は深く息を吸い、頷いた。「これは私自身の作品です。公表したデザイン作品は、私自身がデザインしたものです」

「そう」

鈴木月瑠は椅子の肘掛けを軽く叩きながら、もう一方の腕を中村楽の腕に置き、再び口を開いた。「私の姉は、大学時代にフランスのジュエリーコンテストに15回、ベルリンデザインコンテストに3回、TF新人賞に1回、ファッションウィークに6回参加しました」

「彼女は合計18回受賞しています」

「コンテストは新人のみ参加可能で、彼女は毎回新人として参加していました」

「一方、中村霜は大学時代に10回も参加していませんし、作品は非常に見苦しく、慰労賞すら取れませんでした」

「私の姉はその数年で名を馳せ、国際的な一流デザイナーとなりました」

「中村霜さんが有名になったあの作品は、多かれ少なかれ、私の姉のデザインスタイルを取り入れており、今回も同様です」

「だから、私は中村霜の盗作を疑っています」

彼女の整った眉目は邪気と狂気を帯び、目を細めていた。

一言一句に、会場は水を打ったように静まり返った。

先ほど鈴木月瑠は、Queenが彼女の姉だと言っていた。

この段階で、鈴木月瑠は中村霜がQueenの作品を盗作したと言わんばかりだった!

明言はしなかったものの、皆が知っていた。彼女が言っているのは、Queenのことだと!

一瞬にして、中村霜の体内の血液が凍りつき、心臓が激しく鼓動した!