第556章 このドレスは本物？

Queenを見つけられなかった中村霜が歩いてきた。こちらで物音がして、中村楽が来たと聞いて、探しに来たのだった。

中村霜の目の下には充血した血管が見え、アイメイクでも腫れぼったい目を隠しきれていなかった。

彼女は柴田夏美の隣に立ち、優しく微笑んで言った。「夏美のこのドレスは、確かにQueenが直接制作したものよ」

「夏美は名家のお嬢様だもの。偽物なんて着るはずがないわ」

そう言いながら、中村霜はそこに座っている中村楽を見て、偽善的な笑みを浮かべた。「お姉様、まさかここにいらっしゃるとは思いませんでした。どうしてそんなカジュアルな服装なんですか？」

彼女は本当に、中村楽がここに現れるとは思っていなかった。

中村楽はここで何をしているの？

わざと自分の失態を見に来たの？

中村楽は怠惰そうに頬杖をつき、表情は冷ややかだった。「名家のお嬢様でも盗作するなら、偽物を着るのも道理にかなっているでしょうね」

中村霜の笑顔が凍りついた。

中村楽がこんなに自分を刺すとは思わなかった。

中村霜が弁解する前に、伊和井嘉が冷笑した。「そうよね、誰かさんが盗作して、Queenまで真似しちゃったんだもの」

「何でもできちゃうんでしょうね？」

「QueenとFさまに直接名指しで干されたのに、よく厚かましく」

「ここに来る面の皮の厚さがすごいわね！」

それらの言葉は鋭い刃物のように、一刀一刀、中村霜の心を切り刻んでいった。

中村霜は顔を蒼白にして唇を固く結んだ。

本来ここに来たのは、ただQueenに謝罪するためだった。

しかしスタッフはQueenが確かにここにいると言ったのに、探しても見つからなかった。

みんなに嘲笑される心の準備はしていたが、実際にその言葉を聞くと、中村霜はやはり受け入れられなかった。

中村霜は深く息を吸い、冷たく言った。「私は盗作していません。それは誤解です」

「もう訴訟弁護士に依頼して、私の潔白を証明します」

「弁護士？」

中村楽が突然怠惰な声で口を開き、声を引き延ばし、口角を上げた。

彼女は美しく整った眉目に笑みを浮かべ、冷ややかに微笑んだ。「もっと良い弁護士を探した方がいいわよ。Queenが依頼したのは大江弁護士だから」

大江弁護士。

法曹界で、この弁護士を知らない人はいない。