第659章 妹が会いたがっている

鈴木月瑠は言った。「巫族のことは気にしないで。まだ時期が熟していないから、今の問題を片付けてから、この件を解決するつもりよ」

彼女はまだ、お兄さんと話をする時間を見つける必要があった。巫霊が目覚めるのを待たなければならない。

鈴木月瑠と一橋貴明は今夜の車で出発する予定で、ちょうど鳳紅裳の訓練に付き合える日が一日あった。

林由綺が訓練場に行くと、一橋貴明と中村少華が若者たちの3キロ走を監督していた。

「この元気いっぱいの子供たちを見ていると、自分を思い出すわ」と林由綺は中村少華の横に立ち、微かに微笑んだ。

かつて、彼女は必死になってイーグル突撃隊に入隊しようとした。この男性と肩を並べて戦いたかったのだ。

中村少華は林由綺に反応せず、時折、視線の端で鳳紅裳を見ていた。