こちらでは、遠藤母さんが中村楽に話しかけていた。「月瑠ちゃん、もう遠藤家に戻ってきたんだから、音美とは姉妹なのよ。過去に起きた不愉快なことは、もう気にしないでね。あなたはまだ若いから分からないかもしれないけど、私たちの年になれば、家族の大切さが分かるわ」
「私たちがいなくなった後も、兄弟姉妹で相談し合えるでしょう」
話し過ぎて、遠藤母さんは唇が乾いてきて、舌で舐めた。
鈴木月瑠は相変わらず無関心そうに、だるそうに言った。「私は彼女とは親しくないから、気にすることもないわ。私には自分の家族がいるから、彼女と相談する必要もないわ」
遠藤母さん:「……」
おそらく鈴木月瑠にこのように言い返されることに慣れていたのか、遠藤母さんはすぐに気持ちを立て直した。
軽く咳払いをして、本題に入った。「言いたいのは、あなたと音美は興味が違うってことよ。書道の評価なんて、あなたはろくな字も書けないでしょう」