第626章 自ら恥を求める!

松本旻は水を飲んでいて、池田ふうたの顔にかけそうになり、目を見開いて信じられない様子で言った。「お偉いさん方はほんとにお金持ちですね、尊敬します!」

「七男の若様ほど気前よく金を使う人は見たことないですよ。七男の若様より金持ちな人なんているんですかね?」

彼は呆然としていた!

七男の若様は大金を使うときも一度も目を瞬かせたことがないが、帝都で七男の若様より金持ちなのは、おそらく鈴木家だけだろう!

明らかにそれは鈴木のご家族ではないはずだ!

池田ふうたの表情は次第に険しくなっていった。

池田霄も不快そうに眉をひそめ、諭すように言った。「三弟、もう競り落とすのはやめておいたら?競売価格が収集価値を超えているよ。」

「義姉さんが出て行って、また見物に戻ってきたのを見なかったのか?彼女もこの絵の価格が高すぎると思っているんだろう。」

彼は顎で鈴木月瑠の方向を示した。鈴木月瑠と静墨が見物を楽しんでいる様子が明らかに見えた。

池田ふうたの表情は今にも崩れそうになり、鈴木月瑠を見た。

すると鈴木月瑠が突然顔を上げ、彼らに向かって首を横に振った。

池田ふうたの表情がようやく和らぎ、競り札をテーブルに投げ出し、長い脚をテーブルの上に乗せ、歯ぎしりするように言った。

「くそっ、どいつだ、こんな目の付け所の悪いやつは!」

その人物の正体は分からないが、財力は間違いなく一橋家に劣らないはずだ。

この恨み、忘れないぞ!

司会者は興奮で声を震わせながら「180億円です。180億円を超える価格を付ける方はいらっしゃいませんか?」

「180億円、1回目。180億円、2回目。180億円、3回目。落札!」

この絵が180億円で落札され、会場は沸き立った。皆が鳳家の若旦那の正体に興味津々だった。

「カモだな!」

静墨は笑いを堪えきれず、顔に喜びを満面に浮かべた。「この絵にはあなたの筆跡もあるわね。早く蘭のところに行ってお金をもらいましょう!」

鈴木月瑠の表情はあまり良くなく、目の奥に複雑な感情が浮かんでいた。

静墨は鈴木月瑠が2階の個室にいるその人物を嫌っているように見えたので、尋ねようとしたが、鈴木月瑠が立ち上がって出て行くのを見て、急いで後を追った。