第684章 もう借りはない

鈴木月瑠はとても早く起きた。

寝室を出るとすぐに、何か違和感を覚えた……

リビングがあまりにも整然としていて、まるで誰も住んでいないモデルルームのようだった。すべてのものが規則正しく、あるべき場所に置かれていた。

昨夜、彼女が夢遊病で起きて片付けたのだろうか?

疑問に思っていると、ふわふわとした小さなまるちゃんが雑巾を持って出てきて、とても自然にテーブルを拭き始めた。

「諭知、このリビング、あなたが片付けたの?」

「あっ、ママ、起きたの!おはよう!」一橋諭知は良い子の生徒のように立って、「ママ、早く会社に行ってね。僕はテーブルを拭かなきゃ。夜、帰ってくるの待ってるよ!」

鈴木月瑠の気持ちは複雑に揺れ動いた。

料理ができて、食器を洗い、掃除もできて、素直で、物分かりがよくて、泣き叫ばないなんて……この子は、本当に天から授かった宝物だ!