第716章 腹黒い女！

「わあ！文一、見て、ママがあそこにいるよ！」

一橋諭知の目は輝いていて、夜空のすべての星を宿しているようだった。

彼は顎を支えながら、うっとりと言った。「ママは今日、天界から降りてきた天女様みたい。すごく綺麗だよ。どうして僕にこんなに綺麗なママがいるんだろう！ひひひ、きっと僕が一番綺麗なドレスを選んだから、ママがこんなに綺麗に見えるんだ…」

文一は口角をピクリと動かした。「四男若様、よく目を開けてご覧になってください。鈴木お嬢さんが着ているのは、あなたが贈ったドレスではありませんよ」

一橋諭知はすぐに小さなライオンのように目を見開いた。「このドレスは誰がママにあげたの？」

「おそらく、四男若様のお父様が…」

文一は言い終わると、黙って一橋諭知の襟をつかんで角の方へ隠れた。