「鈴木部長、どうしましょう——」
米子は憂鬱そうな顔で彼女のオフィスに入ってきた。
「希崎のマネージャーに連絡したんですけど、相手は三流の小さな会社とは協力しないって言うんです。うぅ、希崎との写真を撮るという夢が、こうして砕け散りました……」
鈴木月瑠は顔を上げ、淡々と言った。「相手に、私たちが一橋グループ傘下の子会社だと伝えたの?」
「相手は、一橋グループには何百もの子会社があるけど、私たちなんてどの葱にも数えられないって……」米子は眉をひそめ、「どうやら、代理人を新しく探さないといけないようです」
もし希崎の写真や動画を見ていなかったら、鈴木月瑠は何も感じなかっただろう。
しかし昨日、彼女はスマホを持って30分以上見ていた。彼女は確信していた、希崎こそが彼女が探している人物だと。