第24章 値上げしないと

そうしている間、高倉家では。

藤原涼介は高倉彩芽と会社の協力案について話し合っていた時、突然携帯に通知が入った。彼は画面を見て言った。「クロシオから返信がありました。私たちが合図を出せば、いつでもハッキングできるそうです。」

高倉のお父さんは隣で聞いていて、思わず喜色を浮かべた。「本当か?じゃあ、今すぐハッキングを始めさせろ!」

藤原涼介は少し躊躇した。「クロシオに依頼すると、高倉海鈴は...」

高倉海鈴の手元から証拠が消えれば、彼女を思いのままに操ることができる。

高倉彩芽に向けられた非難は全て高倉海鈴に押し付けることができ、二度と這い上がれなくなる。

藤原涼介の良心が突然芽生えた。これは全て高倉海鈴の過ちではない。ただ高倉彩芽を守るために、全ての過ちを高倉海鈴に押し付けるのは、彼女にとってあまりにも不公平ではないだろうか。