高倉海鈴は眉をひそめて言った。「最近、友達の誕生日があるんだけど、何を贈ればいいか分からなくて、適当に何か作ろうと思って」
友達の誕生日?
どんな友達の誕生日なのか、社長に内緒にする必要があるの?
いや、社長も誕生日が近いじゃない?!もしかして奥様は社長の誕生日を知っていて、こっそりサプライズを用意しているのかも?!
高野広は真相を掴んだと確信し、口を押さえて小声で言った。「分かりました、奥様。必要なものは明日お持ちします。社長には絶対気付かれないようにします」
電話を切った後、高倉海鈴は高野広の最後の言葉を思い返し、どうにも違和感を感じた。
藤原徹に知られたくなかったのは、他の男性に何かを作るということを知ったら怒るだろうと直感的に思ったからで、だから内緒にしたかったのだ。