クラス委員長は冷たい表情で言った。「人を誹謗中傷しておいて、謝罪は必要ないとでも?」
「誹謗中傷?誰が誹謗中傷だって?」
田中晴香は掲示板のことを知らず、正義感に燃えて言い返した。「あの年配の男性と高倉海鈴に関係がないって証拠でもあるの?証明できないなら、彼女は愛人なのよ。お金のために体を売るような女を、あなたたちはまだ守るつもり?卒業後に金づるを紹介してもらおうとでも思ってるの?」
田中晴香の言葉は非常に過激で、3組の生徒たちは即座に怒りを露わにした。
「田中、その口を慎みなさい!」
「何様のつもりだ。女だからって殴れないと思うなよ!」
「学校の掲示板に高倉彩芽の噂話を流した件で処分が出たって貼り出されてるのに、まだ偉そうに何言ってんだ!」
学校は掲示で高倉海鈴の潔白を証明し、すべては高倉彩芽が根も葉もない噂を流して高倉海鈴を陥れようとしたものだと明らかにした。
「え?学校が彩芽を処分した?そんなはずない!」田中晴香は目を見開いた。
「なぜできないことがある?お前たちが間違っていたんだ。山内先生を妬んでいただけだろう!」クラス委員長は冷笑した。
山内という名前は、ファッションデザインを愛する学生たちにとって、神のような存在だった。
あの年の国際ファッションコンテストで、山内先生が一枚のデザイン画で最高賞を獲得し、海外で名を轟かせた時のことを、彼らは決して忘れない!
山内先生は証明してくれた。努力さえすれば、十分な実力さえあれば、彼らも国際的な舞台に立てるということを!山内先生は彼らにデザインを学び続ける勇気を与え、進むべき道を示し、希望は前方にあると教えてくれた。
デザイン3組の生徒たちとクラス委員長が一緒に立ち、彼らの目の中の輝きに高倉海鈴は心を動かされ、教師という立場の重みを突然より一層感じた。
東京大学は全国屈指の名門大学の一つで、無数の学生が夢見る高等教育機関だ。ここには全国各地のエリート学生が集まっている。しかし同時に東京大学は貴族学校でもあり、金持ちは子供を東京大学に入れて箔をつけたがる。