第70章 故意に階段から突き落とす

藤原涼介は眉をひそめた。彼は高倉海鈴が学校でこんなに評判が悪いとは知らなかった。そうであれば、今度機会を見つけて海鈴に話してみよう。この学校を辞めた方がいいと。どうせ高倉家は彼女の給料なんて必要としていないのだから。

高倉彩芽はため息をつき、そのクラスメートに言った。「違うわ。私と姉さんは実の姉妹よ。悪影響なんてあるわけないでしょう。そういえば、姉さんに話があるの。昨日のことで謝れてないから。あんなに多くの人が姉さんを非難して、姉さんが落ち込んでいないか心配で...鈴、涼介も一緒に来てくれない?私たち皆で行けば、きっと姉さんを励ますことができると思うの。」

「村上家が来週、山内正デザインのオートクチュール『ながれどし』を展示するって聞いたわ。姉さんを誘いたいの。だって、展示されるのは姉さんがデザインしたドレスでしょう?きっと達成感があると思うの。」