高倉海鈴は狐のように笑った。「こんな格式高いパーティーは見たことがないから、見聞を広めたいだけなのよ」
藤原徹は軽く笑って、目を逸らした。
高倉海鈴は階段を上がってベランダに出ると、電話をかけた。電話はすぐに繋がった。「海鈴、やっと三兄に電話してくれたのか?何ヶ月も音沙汰なしで、途中で安否の連絡一つくれないとは、師匠は怒り狂って破門すると言っていたぞ」
高倉海鈴「……」
高倉海鈴が黙り込むと、三兄と呼ばれる人物は良心が咎めたかのように付け加えた。「心配するな。師匠の性格は分かるだろう?破門すると口では言うが、最後に被害を被るのは俺たち兄弟だ」
師匠は海鈴に怒りをぶつけられず、代わりに彼らにその怒りを向けるのだ。もう慣れっこになっていた。
「へへへ」高倉海鈴は照れくさそうに頭を掻いた。「三兄、最近時間ある?お願いしたいことがあるの」