第61章 話し方がひねくれないで

最後の授業が終わり、高倉海鈴は携帯を手に溜め息をついた。

東京大学の資料を調べたかっただけなのに、なぜ藤原徹と関係があるの?谷口敦のこの不確かな情報、必要な時に限って役に立たない。

でも……彼女は顎を支えて考え込んだ。理論的には、東京大学のシステムにハッキングして知りたい情報を調べることもできるはずだけど、墨野静のところは……墨野静が東京大学のシステムには触れるなと言っていたのを覚えている。当時は東京大学に興味もなかったから、適当に承諾しただけだった。

今考えると、なぜ墨野静は東京大学のシステムに触れることを禁止したのだろう?もしかして墨野静もここで学んでいる?それもありえない話ではない。前回チャットした時、墨野静は東京にいたじゃない?

それに、高倉海鈴は墨野静の年齢がそれほど高くないと感じていたので、墨野静は東京大学の学生かもしれない?どの学部?コンピュータプログラミング?