第128章 お姉さまの英語はとても上手なのよ

田中晴香が学年一位だと言い切れたのは、今回の英語テストに高倉彩芽が参加しないからだった。

これまでのテストでは、いつも高倉彩芽が一位で、田中晴香が二位だった。

教務課で、高倉彩芽は久保朱里に付き添われて欠席届の手続きをしていた。教務主任は笑顔で言った。「一回のテストを受けないくらい大したことはありませんよ。高倉さんはいつも成績優秀ですし、今回体調不良で受けられなくても影響はないでしょう。ただ少し残念なのは、今回の一位の生徒を国際翻訳コンテストに推薦する予定だったんですよ。」

高倉彩芽の表情が一瞬こわばり、すぐにため息をついた。「仕方ありません。私の体が弱いせいで。」実は彼女は、今回のテストが大会の選考を兼ねていると聞いて、わざと欠席することにしたのだ。これまでの英語テストは全て替え玉受験で一位を維持してきたが、国際大会は非常に厳格で、不正の余地がないため、病気を装って受験を諦めたのだった。